Commentaries on the Wargames

ゲームについてあれこれ書いていきます

【読書感想記】「戦術の本質」「ビザンツ帝国」「ロンメル将軍」

(タイトルのフォーマットを他記事と揃るためにタイトル部分のみ更新)

趣味の1つでもある読書。

読み終えた本やこれまでに読んだ本など色々と感想をまとめて書いてみることにする。

題して「読書感想記」……

としたのだが食器乾燥機と語感が似ていることを気にしてはならない。

 

まず先日購入を報告していた「戦術の本質

内容的なものとしては英軍や米陸軍などで扱われる戦術における重要な要素などを分かりやすく解説したり、作戦立案のプロセスや作戦実施のための編成や兵のケアなどを実際の米軍などの事例を一例として取り上げたりしています。

案の定ドイツ軍的要素はあまりなく、一部で戦況図が解説されただけでした。しかも北アフリカ戦線周りを。西方電撃戦やら独ソ戦やらにはほとんど触れていなかったのですが、まあそれはいいでしょう。

本の構成がどうも教科書っぽい感じで「昔の情報の教科書とかこんなフォーマットだったよな~」なんて思い出しつつ読み進めていきました。

半分以上読み進めた頃に歴史上の戦争の紹介・解説があるのだがカエサルのアレシア包囲から湾岸戦争と幅広く紹介されているのだが、浅く広くという感じでもっとページを割いて解説しても良いんじゃないかという感想を持った。

天才的な戦術家であるナポレオン周りの解説はたしかに多いのだが、個別の戦争の記録や解説を求めるならばもっと専門的にそれを扱っている本のほうが良いのだろう。この戦術の本質はその手の本を読む前準備的な本という感じでもあるかもしれない。

終わりのほうには台湾有事やらロシア・ウクライナ戦争やらにも言及している。のだがここではとやかく言わないことにしたい。

それはともかく本としては非常に面白く読み進めることが出来た。米陸軍とか自衛隊にはほとんど興味がない私ではあるが、非常に勉強になったという思いだ。

時としてよく語られる「外線・内線作戦」や「迂回・包囲・突破」なども解説されているので、この手の興味がある人にはオススメしたい。

 

過去に読んだ本から「ビザンツ帝国

「青き狼と白き牝鹿 元朝秘史」というゲームから東ローマ帝国ビザンツ帝国)に対する興味を持ち、そしてそのプレイの際に君主であったミカエル8世に対する漠然とした興味から思わず手に取った本だったのだが、読み始めていた最初のほうは正直後悔していた。

そこにはゲーム的なビザンツ帝国の姿はなく、ローマの東西分裂から内紛と権力争いの歴史ばかりが書き綴られていた。

キリスト教的なイコン云々の話が長々と続いていた時には少しうんざりもしてしまったのだが、当然これらはビザンツ帝国の弱体化の道筋なのだ。そもそも弱体化の道程を辿っていなければ東西に分裂しなかったし、弱体化しなければ最終的にはコンスタンティノープルの城壁の中で国家の最期を迎えることも無かったであろう。

国家がボロボロになると政変があり、政変があれば外交や戦争にも影響がある。そうやって少しずつ少しずつボロボロになっていく様を見せていくのだが、しかしそこは腐っても「ローマ」なのである。

そしてバシレイオス2世とかアレクシオス1世のような人物が出て来て帝国を盛り返す。そうやって栄華を取り戻していくのだが次代で安定を望み、そしてまた内紛と権力争いで衰退していくという。

そうやって長い歴史の中で煌々と輝くビザンツの歴史も第4回十字軍の襲来で一旦途絶える。コンスタンティノープルは陥落し、ビザンツの皇族たちは各地に亡命政権を建てるのだがここからミカエル8世が出てくるのである。

そんなビザンツ帝国の1000年ぐらいの歴史をぎゅっと一冊に纏めた本だ。読み進めていく内に自然と夢中になっていた。

しかし似たような名前の人物が次から次に出てくるので大半の皇帝の印象は薄いのも事実…

私はどちらかと言えばバシレイオス2世、アレクシオス1世、ミカエル8世のように戦争に強い皇帝が好きなので比較的彼らは覚えやすかったのだが、なんだかんだ女帝エイレネの話なんかもとても興味深かった。この辺りは神聖ローマ帝国なんかにも絡みがある部分になるので気になるところである。

 

最後に「ロンメル将軍

ハインツ・ヴェルナー・シュミットという実際にWW2当時に北アフリカ戦線でロンメルの部下として戦った人物の書いた従軍記です。

最初の頃はロンメルの副官、後に部隊の指揮官として1隊を率いて戦ったらしいです。

なので本人の視点から見たロンメル将軍の描写はありますが、北アフリカ戦線全般の作戦云々の解説等を細かくやっているような内容ではありません。

途中からはロンメルと離れて部隊の指揮を執るようになるので描写も実戦的な描写が増えていくのですが、兵士目線で見る貴重な北アフリカ戦線の描写です。

有名な「高射砲で戦車を撃つのは卑怯ですな」の話も出てくるので、WW2ドイツ軍好きの人にはオススメ。

エル・アラメインなんかはともかく、その他地名も馴染みのない地名が延々と出てくるので冒頭の地図と行ったり来たりになることも多いですが…

第二次世界大戦戦況図解」のような各戦線での作戦の成り行きや参加兵力、地図なんかが割とちゃんと載っている本と合わせて読むともっと分かりやすいかもしれない。

 

最後に:

不定期でこんな感じの記事をちょこちょこ書いていこうと思います。

ただ御覧の通り結構趣味が偏ってしまっている人間なのできっと大半の人には興味のない本の感想をつらつらと書いていくだけになってしまうだろう……