(タイトルの誤字を修正しました)
去年の発売日から購入していたFE風花雪月無双。
帝国→王国→同盟の順でプレイしてようやくクリア。
今年中にはクリアしようと意気込んでいたので良かったです。
今回はその風花雪月無双をプレイした上での感想や、本編と比較してあれやこれや語っていこうと思います。
まずSランクを取るのが作業だったり、お金がカツカツで1週目は適正レベルに追いつかせるだけで精一杯だったりと、正直なところ帝国ルートをやっていた頃から気乗りしないままプレイしていました。
2週目の王国ルートの途中から半年以上放置する事態に陥りつつも結局なんだかんだでやる気を取り戻し、ルートクリアまで駆け抜けた思い出もありました。
この辺りは4ルート攻略まで一度もモチベが途切れなかった本編とは大違いです。
本編は主人公が教師であったことで1年間も関係を深めてから戦争になるのに対して、こちらは関係はあるものの何となく「部外者」として関わっているような感じが否めません。
そして本家本元の本編主人公は隅に追いやられ雑な扱いが成されてしまいました。
生存ルートならばジェラルトごとプレイアブルになる点はまだしも、本編主人公が無下な扱いをされることを求めていた本編ファンがいるとは思えません。
ストーリーに関しては本編と違う展開にしたかった、というのは伝わってきましたが…
正直それは裏目に出ていたような気もします。
本編は歴代FE作品らしく明確な敵として帝国が設定されていて、どの勢力(帝国に味方するルートを除いて)でも帝国勢と戦って勝利するという流れになっていました。
無双だと王国・教団の保守的勢力と帝国・同盟の革新的勢力の対峙に焦点が合わせられています。
本編帝国ルートでも対同盟は王国攻略のための副次的な戦線で、さらにクロードの生死そのものも戦争の結末にそこまで強い影響はないという扱いだったのですが、同盟が対王国に振り切れば「手を組める」という現実的な選択をするというのも策士らしいと言えば策士らしいのでしょうか。
この辺りは本編のクロードも「レアがいなくなってくれたほうが」と本編主人公に対して匂わせていた部分を思い出させます。しかし本編同盟ルートではレアを排除しても主人公が後継的な立場に着いたのもあり「教団そのものが存続しても本編主人公なら自身の野望を理解してくれる」と思いが変化していたのかもしれません。
それはともかく無双クロードはエーデルガルト以上に反教団化するのですが、正直エーデルガルトのお株を奪っているような気がしてなりません。
それは私がエーデルガルト贔屓だったからそう思っただけなのでしょうか…
今作の級長3人でクロードが一番変化が大きいと批評されるのもこういう点からでしょう。
ディミトリはダスカーの悲劇の復讐に取りつかれながらも国や民や信仰を守ろうとする実直な王。
エーデルガルトは自身の紋章の悲劇もあって、紋章優先な社会やそれを形作ってきた教団への敵意・憎悪を持つ皇帝。そして侵略者。
クロードは策を張り巡らせて国と民を守る策士、でしたが途中で帝国と同盟を結び王国へ侵攻する野心家。
ディミトリ、エーデルガルトの立ち位置は本編もそう変わりはありません。
しかしクロードの場合は途中までは本編と同じく同盟を守りつつ帝国に抗おうとするのですが、帝国に攻め入った途端にパルミラからの侵攻を受けて頓挫し異母兄弟のシャハドを討つやいなや連邦国を興してエーデルガルトと同盟します。
好意的な解釈をするのであればシャハドを討ったことで「悪に身を染めることになったとしても自分の信念を貫く」という決意をした、と捉えることもできます。
エーデルガルトの最終目的である中央教会の打倒にクロードや同盟が直接的に関与していないのもあり、クロードの野望を知らないであろうエーデルガルトも戦力を対王国に集中できる利もある。
クロードとしても元々親帝国派と反帝国派が存在した同盟の事情的に内紛の可能性もある対帝国よりも、親・反というくくりのない対王国のほうが同盟諸侯たちを説得しやすかったのかもしれません。
あと拠点での会話とかも一応会話できる全キャラと話して回ったりしていたのでこれも中々大変でした。
本編ではガルグ=マクが広大過ぎて最初から会話を取りこぼさないようにすることは諦めていましたが…。
同盟ルートの途中に拠点で発見したエピタフのパルミラ兵。
パルミラ人ですがフォドラの言葉が喋れるという理由で連れられてきたらしいですが、拠点で浮きまくってて好きでした。
ゲーム的な部分にも触れておきましょう。
風花雪月無双には正直なところ無双的な爽快感は感じませんでした。
プレイしている時に手を止めさせる要素が多い。
「回収できる素材が~」とか「誰々が遠乗りを~」とか「確認できる支援会話が~」と度々拠点に戻って確認するのが面倒でした。
特に回収素材の受け取りは放置しても損した気になってしまうので…。
遠乗りに関しても3週目同盟ルートは「門番」がしきりに遠乗り気分になるのがストレスでした。門番が3連続で遠乗り気分になっていたこともあります。実際はランダムなんでしょうけど、門番が3連続で遠乗り気分になったのを見て喜ぶ人もそういないと思いますが。
その上さらにDL版だったのでふくろうの羽回収もあった。そのおかげで好物をアイテムとして贈る要素も、このふくろうの羽をあげれば事足りる上に数も大量に所持していた。
そして各地域も律儀にSランクを目指しながら進めていたので到底モチベが続くはずもなかった。本当に流れ作業的に無双をプレイするとどうなるのか、という実験ソフトだったのかもしれない。
不満点は確かに不満点ではあるし、批判されている点も批判されている理由も理解できる。
無双版風花雪月としてはまだ受け入れられるものではあった。
風花無双の投げっぱなしエンドもエンゲージや邪竜の章を思うと…。
無双主人公(シェズ)に関しては完全に蛇足だと思います。
いっそ本編銀雪からのアガルタ討伐ルートの流れにして無理やり理由付けしてでも全勢力全メンバー仲間入りのオールスターお祭り無双で大団円にしてくれたほうが良かった。
本編では3勢力別れての戦争を描いていたし、無双ではその真逆の全員一致団結協力ルートにして本編ではあり得なかった3級長同士の支援会話だとか、あんまり絡むことのなかったキャラクター同士の掘り下げをやっても良かったかもしれない。
無双主人公がそのための切っ掛けとなる存在で~という流れであればまだ「無双」的ということで受け入れられたのかもしれません。
しかし中途半端に級長3人に死ぬ展開を作らなかったことで投げっぱなしで終わらせるしか方法がなかったのではないだろうか。
逆に風花雪月本編は敵勢力の指導者にはドライに対処していたのも魅力だった。
しかし無双では前作主人公に対してドライなのである。
色々と文句もあったのだが、なんだかんだ風花雪月の人気の高さがあったがためにその反動で批判を受けやすい作品だったと思う。その人気的な部分に胡坐をかいてしまったことが色々と大批判の原因になってしまったように思われる。
特に本編は勢力もキャラクターも多く、どの勢力やどのキャラクターにも愛着を持っている人がいるというのは容易に想像がつくのでそこら辺の配慮はきちんとするべきだったのかもしれない。
私としては時間が掛かりはしたもののちゃんと最後まで遊びきるぐらいには面白かったので「(本編愛も加味して)一応、面白かったゲーム」として記憶に留めたい。